北京、上海の人口はほぼ飽和状態、広州や深セン、新一線都市の人口は増加中
北京と上海の人口は1978以来初の同時に減少。広州と深センの人口は増加、特に深センの人口は急増中。
北京および上海の常住人口は同時に減少している。2017年末の北京の常住人口は2170.7万人と前年より2.2万人減少、上海の常住人口は2418.33万人と前年より1.37万人減少している。北京および上海の常住人口が同時に減少するのは、1978年以来初のことである。
また、北京、上海ともに今後の人口の目標値を設定している。北京では、2020年末までは常住人口を2300万人以内に抑制し、長期的にこの人口規模を維持する計画である。上海では、2035年までは常住人口を2500万人以内に抑制する計画である。北京および上海では既に人口増加の余地は100万人前後と小さく、飽和状態に近いといえる。
一方、北京や上海と同じく一線都市である広州と深センの常住人口は増加している。2017年末の広州の常住人口は1449.84万人と前年より45.59万人増加している。深センの常住人口は1252.83万人と61.99万人増加しており、3年連続で毎年60万人以上増加し続けている。なお、広州では、2035年までは常住人口を2000万人前後に抑制する計画があるが、まだ500万人程度の増加余地がある。
急速な経済発展を背景に杭州や鄭州、西安の常住人口が1000万人の突破間近
1.5線都市ともいわれる新一線都市は、成都、杭州、武漢、重慶、南京、天津、蘇州、西安、長沙、瀋陽、青島、鄭州、大連、東莞、寧波の15都市である。急速な経済発展を背景に杭州や鄭州、西安の常住人口は1000万人の突破が間近になっている。
杭州は、2018年末の常住人口は980.6万人と前年より33.8万人増加。2015年以降毎年増加しており、直近4年の90万人以上増加している。西安は、2017年末の常住人口は968.5万人と前年より85.29万人増加している。鄭州は、2017年末の常住人口は988.07万人と前年より15.68万人増加しており、7年連続15万人以上の増加を記録している。
なお、都市のランクを《關于調整城市規模劃分標準的通知》によれば、城区(市街地)の常住人口により5分類7段階でランク分けしている。例えば、城区(市街地)の常住人口100万人から500万人であれば大都市、城区(市街地)の常住人口500万人から1000万人であれば特大都市、城区(市街地)の常住人口が1000万人以上であれば超大都市などである。
現在、城区(市街地)の常住人口が1000万人以上である超大都市は、一線都市である北京、上海、広州、深センの4都市のみとなっている。常住人口1000万人の突破間近である杭州や鄭州、西安だけでなく、既に常住人口1000万人を突破している成都や武漢、重慶、天津、蘇州を含めても、新一線都市の城区(市街地)の常住人口は、まだまだ1000万人には届かない状況である。
今後、杭州や鄭州、成都、西安などの新一線都市が城区(市街地)人口1000万人を超える超大都市に成長する可能性は十分にあり、超大都市が4都市から10都市以上となるとみられている。